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弁護士虫本良和が、東京弁護士会主催の研修「裁判員裁判の量刑弁護」の講師を担当しました

ブログ講演・書籍等

2026年3月

弁護士 虫本良和

 

 本年1月16日に、東京弁護士会が主催する研修「裁判員裁判の量刑弁護」の講師を担当しました。

 今回の研修は、「有罪か無罪か」ではなく、刑の重さ(量刑)が問題になる裁判における弁護活動を取り上げました。特に、市民から選ばれた裁判員が量刑を判断することになる裁判員裁判において、どのような主張(弁論)を行うことが効果的であるかを考えるというテーマについて講義をさせてもらいました。

 裁判員裁判の対象となるのは、例えば、殺人、強盗致傷、被害者が怪我をしたわいせつ事件など、比較的法定刑が重い類型の事件であり、検察官も厳罰を求める意見(求刑)を述べることが少なくありません。

 そのような裁判において、刑罰が不当に重くならないため、言い換えれば、裁判員・裁判官に適正な量刑判断をしてもらうためには、弁護人が「なぜその結論(刑)が行った犯罪行為に相応しい」といえるのかを、説得的に伝える必要があります。

 もちろん「軽い刑が相応しい」という説得をすることは簡単ではありませんし、常に同じ理由で裁判員を説得できるというものでもありませんが、弁護人が量刑に関する意見を述べる際の視点の一つとして「公平性」というものがあります。

 具体的には、例えば、過去の裁判員裁判で「同種事案」(罪名、行為・結果又は動機などの主要な事件内容が共通する他の事例)で言い渡されている判決の多くが執行猶予付きになっているという傾向がある場合、当該事案でも執行猶予を付す判決が選択されることが、他の裁判の結果との公平性が保持された適正なものだと考えられるのではないかといった発想です。

 もっとも、過去の裁判の結果に裁判員が拘束されるというものではありませんし、事件の特徴や実際の裁判例の傾向等によっては、むしろ「過去の判断に拘束される必要はありません」というメッセージを、弁護人が裁判員に対して伝えるべき事案もあると思います。

 そのため、裁判員に対して、過去の裁判例の量刑傾向に言及する場合には、目的や効果或いは裁判員が当該主張に対してどのような感情を抱くかといったことまで考えて、戦略的に主張を検討することが必要になります。

 今回の研修では、そのような観点を踏まえて、自分が普段考えている、量刑が問題になる事件での主張の在り方について、お話をさせていただきました。

 

★千葉市の弁護士事務所『法律事務所シリウス』より★