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「司法精神医学」に菅野亮「精神鑑定の課題・8ステップの意義~弁護人の立場から~」が掲載されました

ブログ講演・書籍等

2021年9月   
弁護士 菅 野  亮

 日本司法精神医学会が出版した「司法精神医学」(第16巻第1号,2021)に,「精神鑑定の課題・8ステップの意義~弁護人の立場から~」が掲載されました。
 この論考は,2020年に開催された司法精神医学会の「シンポジウムⅢ 現代の精神鑑定に求められていること」で報告させていただいた内容を文章にしたものです。
 鑑定書を読む際,どのような証拠から,どのような事実を認定していたのか,そしてその認定過程には,どのような専門的経験則が働いているのかといったことを考えながら読んでいますが,普段気をつけていることなどを記載させていただきました。

 今後とも,法曹と精神科医とが対話を重ね,よりよい精神鑑定及び刑事裁判の在り方が検討される必要があります。本論考がその材料になれば幸いです。

 今回の「司法精神医学」では,もちろん,私も報告者として参加した「シンポジウムⅢ 現代の精神鑑定に求められていること」も興味深いテーマですが,「シンポジウムⅠ 司法精神医学における自閉スペクトラム症の位置付け」や「シンポジウムⅡ 超高齢社会における高齢者の犯罪」がとりあげられており,いずれも大変弁護士業務に参考になる内容です。
 
 ただ,個人的に興味をもった報告は,「Finlandの刑務所視察から示唆された受刑者支援について」というフィンランドの刑務所視察の報告でした。
 ヘルシンキの北部にあるKerava刑務所視察で,「30歳前後の受刑者が多く,最年少者は18歳である。高齢受刑者は受刑中に加齢した長期刑の者(70歳台)が1名いるものの,やはり稀とのことであった。我が国の高齢者犯罪の多くを占める窃盗がFinlandでは少ない理由を尋ねたところ,国民年金に必要な手当が加算されるなど高齢者福祉制度が充実しているため,高齢者は貧困に陥りにくいからであろうと説明を受けた。」と報告されています。
 また,私も訪問したことがある世界遺産のSuomenlinna島にも開放刑務所があり,「受刑者は遺跡の補修や園芸作業等の島の管理を行っている他,島外へ出勤している者もいる」と紹介されていました。あの美しい島が受刑者の作業により維持され,観光客にまじって受刑者がフェリーで,ヘルシンキ市街に通勤しているというのは,日本にはない在り方だと感じます。

以上

 

★千葉市の弁護士事務所『法律事務所シリウス』より★