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境界紛争 -筆界と所有権界について-

2017.01.20ブログ

 当事務所では,境界紛争に携わることも多いですが,「境界」についてなかなか理解しにくい問題があります。
 それは,土地の「境界」には,法的には,「筆界」と「所有権界」という2つの性質がある,ということです。
 筆界というのは,公に定められる,土地の所有者間で自由に決められないもの,とされています。例えば,土地の所有者間で,ここを筆界にしよう,という覚書みたいなものを交わしても,後に裁判所が覚書と異なる位置を筆界確定すれば,筆界は裁判所が確定したラインだった,ということになります。,
 一方,所有権界は,土地の所有権についての境を言い,土地の所有者間で自由に決めることができるもの,とされています。
 もともとは,地租改正時に,筆界と所有権界は同一なものでした。しかし,私人の取引等で動かせない筆界と異なり,土地の一部を譲渡することで所有権界が動くことがありますし,土地の一部を時効取得することもあり得ます。
 ですので,筆界と所有権界は異なる位置にあると判定されることも想定されるのです。
 境界紛争の相談が来た場合,筆界では依頼者の主張される位置とは裁判所は認定しない可能性が高いけれど,所有権界であれば認められるかもしれない,というような場合もあるので,境界紛争では,どちらを紛争の対象にするかも専門家に相談すると良いところかと思います。
 なお,境界紛争については,裁判以外にも,法務局の筆界特定制度や,各地の土地家屋調査会が運営する裁判外での紛争処理手続き(ADR)もあるので,事案に応じて活用することが有効です。

筆界特定制度
http://www.moj.go.jp/MINJI/minji104.html

境界問題相談センターちば(土地家屋調査士会によるADR)
http://www.chiba-chosashi.or.jp/adrhp/consult/index.html