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イギリス刑事法紹介⑦~No case to answer~

2023.04.18ブログ

 イギリスの刑事裁判では、一定以上の重大性を有する事件について、被告人が犯罪の成立を争った場合には、陪審裁判が行われることになります。
 
 イギリスの陪審裁判手続の1つ特徴として、検察官立証が終了した段階で、弁護側から「No case to answer」の申立をすることができる点があります。これは、検察側の提出した証拠では犯罪の成立が立証されていないことを主張し、弁護側から何らの主張・立証なしに、裁判の終了を求める申立です。
 この申立に対しては、裁判官が判断を行うことになります。そして、検察官立証が不十分と判断した場合には、陪審に対し、無罪の判決を行うよう命じることになります。

 このような申立を可能とする前提として、イギリスの陪審裁判手続では、検察側立証と弁護側立証のフェイズは厳密に分けられており、弁護側の冒頭陳述は検察側立証の後に行われることになります。

※本稿におけるイギリス法の説明は、イングランド及びウエールズ圏内において適用される法規制に関するものです。

弁護士/英国弁護士 中井淳一 

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★千葉市の弁護士事務所『法律事務所シリウス』より★