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日本にオーバーステイしている外国人で,日本にいる間に結婚して子供ができました。警察や入管の摘発をおそれて暮らすことに疲れたので出頭したいのですが,その場合,私や家族はどうなってしまうのでしょう。これまでと同じように日本で家族と暮らしたいと希望しています。

よくあるご質問外国人事件

このようなケースの場合,退去強制手続の中で,出入国管理及び難民認定法(以下,「入管法」といいます。)50条の在留特別許可を得られるよう,入国審査官を説得するのが一般的です。
  在留特別許可は,法務大臣の裁量的な処分であり,その拒否判断に当たっては,個々の事案ごとに,在留を希望する理由,家族状況,生活状況,素行,内外の情勢その他諸般の事情に加え,その外国人に対する人道的な配慮の必要性と他の不法滞在者に対する影響を含めて,総合的に判断するとされています。
  一方,法務省入国管理局(当時。現在の出入国在留管理庁。以下,「入管」といいます。)では,平成17年3月に策定された第3次出入国基本計画や翌年3月31日に閣議決定された規制改革・民間開放推進3か年計画(在留特別許可に係る運用の明確化・透明化の向上を指向して在留特別許可の事例公表及びガイドライン策定の検討を求めたもの)を踏まえ,平成18年10月に「在留特別許可に係るガイドライン」策定・公表するとともに(平成21年7月8日に一部見直し),平成16年以降,在留特別許可された事例と許可されなかった事例を,そのホームページで公表してきました。
  現在の実務は,概ねガイドラインに沿った運用がなされており,また,入管のホームページで公表された事例を見れば,実際にどのような条件(資料)が揃えば在留特別許可を得られるのかについてのある程度の予測も付きます。
  その詳しい内容は入管のホームページをご覧いただきたいと思いますが,ここでは,いくつかのポイントを簡単に確認してみたいと思います。
  まず,結婚相手が日本人(又は正規に日本に在留する外国人)の場合には,在留特別許可が受けられる可能性が大きくなります。例えば,平成30年分の公表事例の中で,配偶者が日本人の事例は10件,配偶者が正規に日本に在留する外国人の事例は8件(合計18件)ありましたが,そのうち在留特別許可が出なかったのは,他の犯罪で警察に逮捕・摘発されていた6件,不法入国者であった1件,婚姻の実態に疑義があった2件であり,単純なオーバーステイで,かつ,婚姻の実態が認められた場合には,在留特別許可が出やすいことがわかります。
  また,在留資格のない外国人家族の場合には,子供の年齢(学齢期にあるかどうか)が大きな判断要素となっているようです。例えば,平成30年分の公表事例を見ると,自ら入管に出頭した3事例の中で,子供が10歳以上(学齢期)である2事例には在留特別許可が認められている一方,子供が2歳である1事例は許可されていません。また,家族関係は不詳ですが,平成30年分の公表事例の中で,日本国籍を有する実子を監護,養育していることを理由に在留特別許可が認められた事例も2件あります。
  このように,判断に当たっては,家族関係や子供の置かれた事情が重視されていることが良くわかります。
  したがって,依頼人のケースの場合にも,その家族関係や子供の養育状況等を正確に把握し,ガイドラインや過去の公表事例と比較しながら,出頭準備に向けた資料集めや出頭のタイミングをはかる必要があるでしょう。
  弁護士に相談いただければ,適切な助言を差し上げることができますし,代理人として,入管の施設に収容された場合に仮放免を求めたり,特別審理官の口頭審理に立ち会うなどの法的サービスを行うこともできますので,是非ご相談ください。
  なお,この在留特別許可については,これまでは,あくまでも退去強制手続の中で法務大臣の裁量に委ねるしかないものであり(イメージ的には,法務大臣の温情で特別に日本に在留させてもらえるにすぎず,制度として保障されたものとは言い難いものです。),そのため,手続中の就労は一切認められていないなどの問題点が指摘されていました。しかし,近時,入管では,在留特別許可の手続を「申請」によって開始されるものに改め,かつ,一定の要件を満たせば申請中の就労を認める方針で,入管法の改正を検討中であるとの報道もありますので,その法改正の動きには注目していきたいと思っています。

 

★千葉市の弁護士事務所『法律事務所シリウス』より★