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自己破産することを考えています。借金の原因がパチンコ,パチスロ等のギャンブルだった場合,借金は免除されますか。

よくあるご質問個人の債務整理・再生・破産

 破産法では,「浪費又は賭博その他の射倖行為をしたことによって著しく財産を減少させ,又は過大な債務を負担したこと」を免責不許可事由としています(破産法252条1項4号)。免責不許可とされてしまうと,借金の支払義務が残ることになってしまいます。
 借金の原因がパチンコ,パチスロ等のギャンブルだった場合(例えば,極端な例ですが,1000万円の負債の全てがギャンブルが原因で負ったものである場合),上記の免責不許可事由に該当することになります。
 ただし,破産に至る経緯を丁寧にみれば,様々な原因が複合的に影響していることが多いです。職を失ったり,病気であったりという事情が存在する場合もあります。そのような場合,負債の原因は,ギャンブルが一つのきっかけであったとしても,ギャンブルのせいで「過大な債務を負担した」といえないとして,免責不許可事由に該当しないと主張することも考えられます(『条解破産法〔第2版〕』(弘文堂・2014)1659頁では,「賭博等が過大な債務負担の遠因にすぎないときは,相当因果関係は認められないというべきである(東京高決昭60・11・28参照)。また,賭博や射倖行為と著しい財産減少や過大な債務負担との間に相当因果関係が認められても,それは一因にすぎず,他に主要な原因があるときは,その主要な原因をもとに免責不許可事由の有無を検討すべきである。」とされています。)。
 免責不許可事由があるとしても,「破産手続開始の決定に至った経緯その他一切の事情を考慮して免責を許可することが相当であると認めるときは,免責許可の決定をすることができる」(裁量免責といいます。)とされています(破産法252条2項)。
 したがって,ギャンブルによって過大な債務を負担したとして破産法252条1項4号の免責不許可事由があると認められた場合でも,同条2項の裁量免責事由があると認められば,免責されることになります。
 裁量免責されるために,破産手続に至るまでの経緯や現在はギャンブルをやめて収入の範囲内で生活できている状況等を主張・立証することが多いです。

 

★千葉市の弁護士事務所『法律事務所シリウス』より★