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民法改正シリーズ ~債権者代位権~

2019.01.11ブログ

債務者が,行使できる権利があるのに,これを行使しない場合に,債権者が代わりに権利行使できる制度として,債権者代位権があります。
債権者代位権についても,民法改正の対象となりました。

大きく変わる点は,債務者が,被代位権利について,自ら取立てその他の処分をすることを妨げられない,とされる点です(改正法423条の5)。
改正前民法下では,債権者が債務者に対して,代位の通知をしたときや,債務者が債権者の代位を知ったときは,債務者は自分で権利行使をすることはできないとされていましたが(最判昭和48年4月24日民集27-3-596),この判例とは異なる扱いになります。
そのため,債権者は,第三債務者から債務者への弁済を防ぐためには,債務者の債権の保全手続等を取らなければならないことになります。
これは,本来であれば債務者が自由になしうる権利行使の制限は,最小限に留めるべきであり,処分権を制限するためには,手続が整備されている仮差押等の方法によるべきであるという発想によるものです。

債権者代位権に関しては,他にも,債権者が債権者代位訴訟を起こした場合に債務者に訴訟告知をしなければならないことが定められ(改正法423条の6),また,債権者が登記や登録の請求権を行使しない場合に,債権者代位権を行使できること(改正法423条の7)などについて新たに規定が置かれています。

 

★千葉市の弁護士事務所『法律事務所シリウス』より★