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証拠の一覧表交付制度が刑事弁護実務へ与える影響① ~弁護人の証拠開示請求のプラクティスが変わるのか

2017.08.24ブログ

刑事訴訟法の改正により,平成28年12月から,弁護人が請求したときは,「検察官が保管する証拠の一覧表の交付をしなければならない」とされました(刑事訴訟法316条の13第2項)。

これまでも,公判前整理手続及び期日間整理手続に付された事件では,弁護人から類型証拠開示請求及び主張関連証拠開示請求を行うことが可能でした(法316条の14及び法316条の20)。また,実務の運用として,検察官は,請求証拠の開示後に,一定の証拠について任意に開示しています(実務では,任意開示と呼んでいます。)。

しかし,弁護人には,検察官が保管する証拠の全体像が分からないため,証拠開示請求においては,「こういう証拠が存在しているだろう」と考えながら,証拠開示請求を行っていました。
弁護人が証拠開示請求をしたところ,検察官から「当該証拠は存在しない」と回答されることもあります。そのような場合,証拠が実際にないのか,あるいは,類型証拠の要件該当性の解釈の違いにより,「(当該類型に該当する)『証拠はない』」と回答されているのか分からず,裁定請求を行わざるを得ない場合もありました。

証拠の一覧表の交付により,一定程度,検察官の保管する証拠が分かることになりました。検察官が「保管する証拠」の開示状況について弁護人が疑心暗鬼になる場合は減る可能性はあります。

実際の証拠一覧表は,証拠書類と証拠物のパートの別れて作成されており,証拠書類のパートには,「番号」「標目」「作成年月日」「作成者又は供述者の氏名」が記載されています(備考欄が設けられており,何らかの記載がされている例もあります。)。簡単な記載ではありますが,誰の供述調書が作成されているとか,何通存在しているかについては確認することができますので,証拠開示請求をする際にも,あるいは開示された証拠に漏れがないかの確認作業に証拠の一覧表が一定程度役に立つといえるでしょう。

平成29年8月 弁護士 菅野 亮

参考例・証拠の一覧表の記載事項