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反社会的勢力排除及び反社会的勢力への融資の問題点

2013.11.07ブログ

 11月5日,千葉県信用保証協会において,反社会的勢力排除の問題等について研修を実施しました。講師は,当事務所の菅野亮弁護士です。

 メインテーマは,反社会的勢力に対して金融機関が融資をした場合の問題点等であり,研修の素材となった具体的な裁判例としては,①神戸地裁姫路支部平成24年6月29日判決,②①の控訴審判決である大阪高裁平成25年3月22日判決,③東京地裁平成25年4月23日判決,④東京地裁平成25年4月24日判決です。

 これらの裁判はいまだ確定しておらず,実務での対応も慎重を要する問題ですが,金融機関と保証協会の責任割合を考えるあまり,反社からの融資金回収等の反社排除の基本的な指摘を見失わないことが重要だと思われ,今後も事例に応じて適切な解決が望まれるものと思われます。

 また,実務では,そもそも反社かどうかが問題となることもあり,①元暴力団員や,②共生者の認定には困難も伴います。
 講師の菅野は,刑事事件・反社関連の事件を担当することも多く,反社会的勢力が関係する組織的犯罪・組織の実情等にも詳しいので,その経験談を聞き,反社に一度目をつけられると逃れることが非常に難しいことを改めて感じました。

 どれだけ注意しても,企業が何らかの形で反社との関係をもつこともあり得ると思いますので,「企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針」(平成19年6月19日付犯罪対策閣僚会議幹事会申合せ)で言われているように,組織的対応・外部専門機関との連携等が重要だと思われます。
 特に,反社会的勢力に「資金提供を行わないことは,コンプライアンスそのもの」とされる趣旨を十分に理解して,社内のコンプライアンス体制等を構築する必要があると思われます。

                                  報告者 日高