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同種前科5犯の覚醒剤使用事犯で一部執行猶予判決を獲得した事案

取扱事案

 依頼者は,覚醒剤自己使用罪で逮捕された40歳代後半の男性でした(覚醒剤使用事実を完全に認めている自白事件)。
 20歳代のころから覚醒剤自己使用罪での逮捕・服役を繰り返し,既に同種前科5犯がある覚醒剤使用の常習者でした。また,今回は,逮捕される約半年前にも,覚醒剤使用の嫌疑で職務質問を受けて採尿されており(実際このときも覚醒剤を使っていた),その件で逮捕されるかもしれないというストレスから,またしても覚醒剤を使って現行犯逮捕されているため,覚醒剤自己使用罪2件で起訴されてしまいました。
 そういった事情を踏まえると,検察官の求刑は懲役4年から5年程度が予測され,裁判所の判決も懲役3年6月から4年6月程度の全部実刑判決が予測される事案でした(刑の一部執行猶予は3年以下の懲役の言渡しを受けたときに認められるものであり,それを超えた刑期の場合には認められません。)。
 しかし,この事件では,これから述べるような様々な主張・立証を行い,依頼者に対し,一部執行猶予の判決を獲得することができました。

 

結果・回答

1 検察官の求刑を下げる方策をとる
  裁判所は,一般に,検察官の求刑を参考にして言い渡す刑期を決めることが多く,求刑と大きくかけはなれた刑期を言い渡すことはありません。
  ですから,この事件では,逮捕後の早い段階から求刑を意識し,その見通しを依頼者に伝えて問題意識を持ってもらった上,依頼者に対し,警察官や検察官にわかるような具体的な反省の態度を示すことで,できるだけ求刑を下げてもらうための努力をするよう指導しました。
  具体的には,早い段階から,厚生労働省がインターネットで公開している薬物乱用防止読本などを依頼者に差入れて良く読んでもらい,接見では,「何故覚醒剤を使ってしまったのか」を依頼者に振り返ってもらい,それでは「どうすれば覚醒剤をやめられるのか」を依頼者と話し合いました,その上で,警察官や検察官の取調では,この話し合いを踏まえた反省の言葉を自分から語れるよう,依頼者に細かく助言しました。
2 裁判所にも再犯防止に向けた努力をアピールする
  依頼人は,これまでの逮捕・服役が災いして御家族とも疎遠となっていましたが,高齢のお母様とは時折連絡を取り合っていたようなので,お母様に手紙を書いてわびるよう指導し,他方で,お母様には,依頼者にきつく説教していただくようお願いしました。
  その上で,依頼者とお母様がやりとりした手紙を裁判所に提出し,裁判では,依頼者に,それらの手紙の内容に沿って,反省の気持ちや,薬物を断ち切る努力とその具体的展望を,自分の口で丁寧に供述してもらいました。
3 結論
  上記対応が功を奏し,検察官の求刑は懲役4年にとどまり(予測し得た範囲では最下限です。),判決結果は,懲役3年,そのうち6か月については2年間の執行猶予となりました。
                                令和3年5月
                                弁護士 金子達也