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【執行猶予中の再犯・温情判決の獲得】執行猶予中の再犯で,再度の猶予は認められなかったが,その刑が大幅に減刑された事案

取扱事案

依頼者は,40代の女性で,自動車の横領罪(代車として一時的に借りた自動車を約1ヶ月間乗り回した罪)で逮捕されました。接見して事情を聞くと,約2年半前に窃盗罪(知人の家に忍び込んでお金を盗んだ罪)で懲役3年の有罪判決を受け,未だ執行猶予中でした。

結果・回答

執行猶予中に懲役又は禁錮の言い渡しを受けた場合には,法律上,新たに言い渡された刑期が1年以下でなければ,再度の執行猶予を付すことができません(刑法25条2項)。また,裁判官は,執行猶予中に再度の犯罪を犯した人に対し,厳しく,実刑判決を言い渡すことがほとんどです。ですから,依頼者の場合,再度の執行猶予判決を勝ち取るのは難しい状況にあり,依頼者も服役を覚悟していました。
 しかし,依頼者には,幼い頃に母親が再婚し,幼児期には義父から性的虐待を受けていたことから家出を繰り返し,結局,義父との折り合いが悪く母親とも疎遠になってしまったという可哀想な事情がありました。反面,依頼者の母親は,義父に気を遣って表だった協力はできなかったものの,ご自分の出来る範囲で依頼者に面会や差入れをしてくれるなど,依頼者の行く末をとても気に掛けている様子であることがわかりました。
 そして,今回の犯行は,自分の自動車の修理代金(数千円)を払う金がなく,折り合いの悪い実家に頼ることもできないまま,ずるずると,代車を乗り回してしまった犯行であることがわかりました。
 そこで,母親にお願いして,依頼者のための証人になってもらい,裁判で上記事情を証言いただいた上で,裁判官に対し,依頼人にも同情すべき点が多く,母親との関係修復も期待できると訴え,再度の執行猶予判決を求めました。
 判決結果は,残念ながら執行猶予にこそなりませんでしたが,検察官の懲役1年6月の求刑に対し懲役10月という,温情のある判決を得ることができました。
 ちなみに依頼人の場合,この懲役10月の刑の執行が始まるまでには,前刑の執行猶予期間が経過する(執行猶予の取り消しにはならない)ため,この10ヶ月間だけ刑務所に服役すればよく,比較的早く出所できる見通しです。
 出所後は,母親と仲良く暮らして欲しいと思っています。