雪山講習と赤岳登山に学ぶ法廷技術
2026年3月
弁護士 菅 野 亮
久しぶりに、赤岳鉱泉で、小俣智範ガイドから、雪上講習を受けました。
雪上講習は、実際は、雪上ではなく、氷のスラブでのアイゼンワークです。
小俣ガイドから、アイゼンワークとして、以下の歩き方を学びます。
【登り】
① フロントポインティング
② スリーオクロック(ナインオクロック)
③ ダイアゴナル アッセンド
④ ダックウォーク
アイゼンのアイスに対する置き方・角度が重要なのですが、ボルダリングでムーブが重要なのと同じく、アイゼンワークは、体全体の使い方が大事であると感じました。
ダイアゴナルアッセンドでは、ピッケルを動かす足と対角線に置くと体重移動が楽になりますし、そもそも、この動きは、普通に歩く時の前腿の筋肉よりも、腰を中心としたムーブで動くイメージに近く、フロントポインティングやスリーオクロックを使うほどでもない斜度では、ダックウォークで使わない筋肉を使い楽ができます。
これらの動きは、アイゼンを着けていない場合でも参考になり、アイゼンを装着せず、斜度がある坂道でも使うことができます。雪上講習を受けた後、赤岳鉱泉から行者小屋まではアイゼンを着けずに歩くのですが、斜度がある道では、ダイアゴナルアッセンドを意識すると楽に上れます(さすがに、フロントポインティングしなければならないような斜度が、中山乗越までにはないです。)。ただ、アイゼンで雪や氷にステップを作る動きと、冬靴で、ステップを切る動きは若干違い、靴の場合は、雪面にフラットな形ではなく、山側のエッジで切る感じでステップを作ると楽な印象です。
こうして、講習を受け、赤岳に登るわけですが、やはり、赤岳鉱泉で受ける雪上講習と実際に上る場面でのアイゼンワークは、勝手が違います。そもそも、雪がさらさらな場合には、ステップも崩れやすいですし、頭では、アイゼンとピッケルの置き方のイメージがあっても、現場では、ピックを刺す場所も、足場も、選べないこともあり、なかなかうまく歩けません。それでも、3月末の赤岳であれば、さほど技術的難易度が高い箇所もなく、滑落もせずにすみますが、雪山には油断が禁物です。普段から意識してアイゼンワークに慣れ、身につけたいと思いました。
普段、弁護士会の法廷技術研修で講師を担当することも多いですが、小俣ガイドのように分かりやすく、かつ、実際の裁判で使える技術を教えることの大事さを改めて感じました。
以上

★千葉市の弁護士事務所『法律事務所シリウス』より★




