虫本弁護士が東北弁護士会連合会主催の研修講師を担当しました
2025年10月
弁護士 虫本良和
本年8月30日、東北弁護士会連合会が主催する研修で「近時の法改正のポイントと実践的量刑弁護」というテーマでの講師を担当しました。
近年、刑事関係の法律では重要な改正が続いており、我々弁護士としても、情報をアップデートしていく必要があります。弁護士であっても、普段あまり刑事事件は受任せず、久しぶりに刑事弁護をやるという方も少なくありませんので、そのような場合は特に注意が必要です。今回の研修で取り扱った主な法改正の内容は、以下のとおりですが、いずれも非常に重要な改正であり、限られた時間の中ではありますが、ポイントを紹介してきました。
◆刑法等の一部改正(拘禁刑新設、執行猶予制度の改正等)(令和4年)
①侮辱罪の法定刑引き上げ
②被疑者に対する社会内処遇の規定の整備
③拘禁刑の創設(懲役・禁錮の廃止)
④再度の執行猶予の条件の拡大(緩和)
⑤保護観察付執行猶予中の再度の執行猶予
⑥執行猶予期間経過の効果に関する規定の新設
◆性犯罪関係の刑法・刑訴法改正等(令和5年)
①性犯罪についての公訴時効期間の延長
②強制わいせつ罪、強制性交等罪等の要件の改正
③16歳未満の者に対する面会要求等の罪の新設
④性的姿態等撮影罪等の新設
⑤録音録画記録媒体の証拠能力の特則の新設
⑥押収物に記録された性的姿態の影像の電磁的記録の消去
◆逃亡防止等の刑訴法改正(令和5年)
①刑の時効の停止に関する規定の整備
②拘禁刑以上の刑に処する判決の宣告後における裁量保釈の要件の明確化
③逃亡罪の主体の拡張及び法定刑の引上げ
④公判期日への出頭等を確保するための罰則の新設
⑤保釈等をされている被告人に対する報告命令制度の創設
⑥保釈等の取消し及び保釈金の没収に関する規定の整備
⑦控訴審における判決宣告期日への被告人の出頭の義務付け等
⑧犯罪被害者等の個人特定事項の秘匿措置
⑨保釈等をされている被告人の監督者制度の創設
⑩拘禁刑以上の刑に処する判決の宣告を受けた者等に係る出国制限制度の創設
⑪位置測定端末により保釈されている被告人の位置情報を取得する制度の創設
◆大麻に関する法改正(令和5年)
①大麻草から製造された医薬品の施用等を可能とするための規定の整備
②大麻等の施用罪の適用等に係る規定の整備
③大麻草の栽培に関する規制の見直しに係る規定の整備
◆刑事IT化に関する刑訴法改正等(令和7年)
①書類の電子化・発受のオンライン化
②手続きの非対面化・遠隔化
③関連する法律(罰則)の改正
以上
★千葉市の弁護士事務所『法律事務所シリウス』より★




