山散歩な休日 槍ヶ岳・北鎌尾根編
弁護士 菅 野 亮
9月末、山仲間と北鎌尾根ルートで槍ヶ岳まで登山してきました。北鎌尾根と聞くと、厳冬期に著名な登山家達が命を落としたルートですし、夏でも、滑落事故が多いバリエーションルートです。そこで今回は、厳冬期の八ヶ岳登山でもお世話になった小俣智範ガイドにお願いして3人パーティーでのぞみました。
【初日】
上高地バスターミナルを朝7時に出発し、いつもどおり、平坦な徳沢や横尾を通過します。横尾を過ぎると少しずつ高度をあげる感じですが、大曲までは、さほど急登ではなく、雄大な景色を楽しみました。
大曲から水俣乗越までの急登と、水俣乗越からのガレ場の急下降は、かなり体力を消耗するルートです。なお、水俣乗越から北鎌沢へ下る道は、一般登山道ではありませんので、はしごも鎖もなく、ルートの印もありません。
北鎌沢出合で、テント泊し、翌日の北鎌尾根に備えます。
北鎌沢出合から少し下った所の沢の水は、冷えていて、本当においしかったですし、夜の星空も山でなければ見えないほどの星空でした。
【2日目】
北鎌沢出合から、北鎌のコルまでは、沢をひたすら登ります。
早朝4時頃、テントを撤収し、星空を見ながら、ヘッドライトの明かりで出発です。
北鎌のコルまで登ると朝日も出ており、ヘッドライトの明かりも不要です。
北鎌のコルからは、基本的には、稜線歩きなのですが、さすがに北鎌尾根の稜線は、かなりギザギザした岩場が続き、のんびり歩ける道は少なく、ひたすら岩登りして、岩下りするという感じです。ただ、岩自体は、ホールドもしっかりしており(浮き石はありますが。)ボルダリングのレベル感だと、6から7級くらいなのかも知れません。
その後、北鎌独標(2899m)が見えた時、こんなところを登れるのか?と思いましたが(巻き道もあるようですが、トラバースも危険なようです)、なんとか直登し、北鎌独標から槍ヶ岳山頂をみたときには、素晴らしい景色で、北鎌尾根に憧れる人が多い理由が分かります。
槍の穂先を上がると、ノーマルルートで山頂に来ていた登山客から一斉の拍手があり、なんだかよく分かりませんが、感動しました。ノーマルルートで来た時、槍の穂先から見た北鎌尾根は果てしなくギザギザで、とても登山できるような道ではないと感じていましたが、自分が穂先の祠の裏からひょっこり出てくる立場になろうとは思いもしませんでした。
1日目も2日目も、9時間ずつ歩きましたが、槍ヶ岳山荘で祝杯をあげました。
【3日目】
午前4時に槍ヶ岳山荘を出発して、上高地に下ります。
午前4時だと、暗闇の中ですが、星空のもと、山荘やヘッドライドで移動する人のあかりをみながら一気に下山しました。
上高地には、午前10時過ぎに着き、今回の登山パーティー全員で、少し贅沢に、五千尺ホテルでケーキを食べました。
天気もよく、怪我も滑落もなく、無事下山できてよかったです。ザイルパートナーの金杉美和弁護士と登山教室 Serow(セロー)代表の小俣智範ガイドには、感謝しかありません。束の間の休日を楽しみましたので、仕事に戻ろうと思います。
以上

★千葉市の弁護士事務所『法律事務所シリウス』より★




