お知らせ・ブログnews & blog

千葉県千葉市の弁護士事務所 法律事務所シリウス > お知らせ・スタッフブログ > ブログ > 英文契約書作成の実務⑦~不可抗力条項

英文契約書作成の実務⑦~不可抗力条項

2025.09.23ブログ

 多くの英文契約書では、不可抗力による契約不履行や履行遅延を免責する不可抗力条項(Force Majeure)が定められます。なお、「Force Majeure」という言葉は、フランス語で不可抗力を意味する表現のようです。

 不可抗力条項には、免責の対象となる不可抗力の具体例として、地震や台風などの天災の他、ストライキやロックアウト、戦争の勃発などが挙げられることが多いです。ただし、これらの具体例は、契約条項上は限定列挙ではなく例示列挙とされることがほとんどであるため、その他にも不可抗力の発生事由は生じ得ます。
 また、代金の支払いなどの金銭債務の履行については、通常は不可抗力免責の対象にはならないと考えており、その点を契約条項内で明記することもあります。
 加えて、不可抗力条項を定める場合に、単に免責を認めるだけではなく、不可抗力により債務の履行ができない状態が一定期間続いた場合には、相手方に契約の解除権を与えることもあります。
 
 このように、不可抗力条項を定める場合でも、画一的に同一の契約条項を用いるわけではありません。契約当事者を取り巻く情勢や債務の内容等を踏まえ、適切な不可抗力条項を考えていくことになります。

「英文契約書作成の実務⑥~No Waiver~」はこちら

弁護士/英国弁護士 中井淳一
https://japanese-lawyer.com/

★千葉市の弁護士事務所『法律事務所シリウス』より★