英文契約書作成の実務⑤~損害賠償制限条項~
2025.08.12ブログ
国際的な取引の場合には、紛争が生じた場合の損害賠償額がどの程度のものになるか、予測が難しい面があります。
そのため、国際的な取引に用いられる英文契約書では、「損害賠償の制限(Limitation on Liability)」が定められることが多くあります。
損害賠償の制限には、様々な定め方があり得ますが、1つは、損害賠償責任の発生原因を限定する方法が考えられます。
一般的には、契約違反により相手方に損害を生じさせた場合、損害賠償責任が生じることになりますが、そのような損害賠償責任の発生原因を「重大な契約違反(Material Breach)」に限定することがあります。
このような限定をすることで、軽微な契約違反の場合には、損害賠償責任を免れることができるため、リスク管理のための方法として有効となり得ます。
また、損害賠償の上限額を定めたり、賠償の対象となる損害の範囲を限定するような条項も多く用いられます。
こうした条項を用いることで、万が一損害賠償責任が発生した場合でも、生じるリスクを予測可能な範囲にとどめることができます。
弁護士/英国弁護士 中井淳一
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★千葉市の弁護士事務所『法律事務所シリウス』より★