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イギリスにおける保護観察(Probation Service)の現状

2025.05.20ブログ

   現在、イギリスでは、刑務所における受刑者の収容過剰問題が深刻化しており、「危機的状況」などと言われることがあります。
   先日には、収容過剰状態を緩和する目的で、1,100人以上の長期受刑者が、早期に釈放されましたが、抜本的な解決には至っていないようです。
   そして、最近になって発表されたイギリスの保護観察業務(Probation Service)に関する年次報告書によれば、保護観察制度に関する人員にも大きな問題があるようです。

 

(英ガーディアン紙)

 https://www.theguardian.com/society/2025/mar/18/probation-service-problems-in-england-and-wales-leaving-public-at-risk-watchdog-finds

 
   年次報告書によれば、保護観察業務に従事する人員が少なすぎる上に、経験やトレーニングも足りていないとされており、深刻な問題の存在が伺われます。また、上記のような受刑者の早期釈放により、保護観察業務が増加したために、その点も負担増につながっているようです。
 
   日本においても、保護司の負担増や保護観察官の増員などが報じられることがありますが、同様の問題はイギリスでもより深刻な形で生じており、両国共通の課題といえそうです。

 

※本稿におけるイギリス法の説明は、イングランド及びウエールズ圏内において適用される法規制に関するものです。

 

弁護士/英国弁護士 中井淳一
https://japanese-lawyer.com/

 

★千葉市の弁護士事務所『法律事務所シリウス』より★