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Q 刑事施設の中で死亡した被収容者は釈放されるのですか

よくあるご質問刑事事件

 刑事施設に収容されている被収容者は、①死刑確定者(以下、「死刑囚」といいます。)、②懲役刑等の受刑者(以下、「受刑者」といいます。)、③捜査や裁判のために勾留中の者(以下、「未決勾留者」といいます。)に大別できます。

 

 死刑囚は、死刑という刑罰の執行を待つために、刑事施設に拘置された被収容者を指す言葉です(刑法11条参照)。
  死刑囚に執行されるべき刑罰は「死刑」そのものであって、刑事施設に拘置されている状態自体は刑の執行ではなく、死刑の執行を待つためのものに過ぎません。
  仮に死刑囚が死刑の執行前に死亡してしまった場合、将来における死刑の執行は不能になりますから、その時点で、刑事施設への拘置の必要はなくなります。
  一方、死刑囚が死刑の執行により死亡した場合、それにより刑の執行は終えたわけですから、その時点で、刑事施設への拘置の必要はなくなります。

 

 懲役刑(及び禁錮刑、拘留)の受刑者は、いずれも、刑事施設に拘置すること自体が刑の執行になります(刑法12条2項、13条2項、16条)。
  受刑者が死亡した場合、刑の執行そのもの、つまり刑事施設に拘置すること自体が不能になりますから、その時点で刑の執行は終わります。

 

 未決勾留者は、犯罪捜査や刑事裁判のために勾留(身柄拘束)された被収容者です。
  捜査のために勾留された被収容者が死亡した場合、将来における起訴が不能になることから、不起訴処分(主文は被疑者死亡)となり、捜査のための勾留も解かれます。
  同様に、刑事裁判のために勾留された人が死亡した場合にも、将来に向けて刑事裁判を行うことが不能になることから、公訴棄却(刑訴法339条1項4号)、つまり起訴が退けられて刑事裁判が終了するため、刑事裁判のための勾留も解かれます。

 

 このように、死刑囚、受刑者又は未決勾留者が死亡したときには、いずれの場合であっても拘置(勾留)の必要性又は根拠がなくなりますので、観念的には、釈放されたものと同じ状態になります。
  その場合に、死体や遺品がどのように扱われるかは、別の機会に解説します。

 

2024年5月     

弁護士 金 子 達 也 

★千葉市の弁護士事務所『法律事務所シリウス』より★