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検察こぼれ話⑪ ~検察官の種類~

2021.12.24ブログ

2021年12月     
弁護士 金 子 達 也   

 

 検察庁法3条は,「検察官は、検事総長、次長検事、検事長、検事及び副検事とする。」と規定しています。
  その中で,「検事総長」というのは,最高検察庁(以下,「最高検」といいます。)の長である検察官,「次長検事」というのは,最高検に属して検事総長を補佐する検察官,「検事長」というのは,高等検察庁(以下,「高検」といいます。)の長である検察官のことを言います。
  それ以外の検察官は,すべて「検事」又は「副検事」に分類されます。
  なお,「副検事」とは,区検察庁に配置される検察官のことをいい,それ以外の検察官は全て「検事」と呼ばれています。
  検察庁法には,地方検察庁(以下,「地検」といいます。)の長である「検事正」や,高検や地検のナンバー2である「次席検事」については,何も規定されていません。

 「検事正」,「次席検事」については,法務省が発する訓令(行政機関が所管する機関及びその職員に対して職務遂行や権限行使を指揮するために発する命令)のひとつである,「検察庁事務章程(以下,「章程」といいます。)」に規定があります。
  章程1条は,「この章程において,検察庁の長とは,検事総長,検事長,検事正,上席検察官(中略)をいう。」と規定しています。
  また,章程2条1項は,「高等検察庁及び地方検察庁に次席検事各1名を置き,その庁の検察官のうちから,法務大臣が任命する。」とも規定しています。
  このように,地検の長である検事正や,地検及び高検のナンバー2である次席検事は,いずれも法律上の名称ではなく,検事の中から法務大臣が任命する「訓令上の役職」に過ぎないのです。
  ちなみに,上席検察官というのは,区検察庁(以下,「区検」といいます。)の長であり,副検事(又は区検事務取扱の辞令を受けた検事)の中から任命されます。

 なお,最高検の長である「検事総長」や高検の長である「検事長」は,内閣が任免し,天皇が認証することとなっているので,次長検事とともに,「認証官」などと呼ばれています。
  これに対し,地検の長である「検事正」は,法律上はあくまでも「検事」の一員に過ぎず,検事の中から法務大臣が任命するこことなっています。

以上 

★千葉市の弁護士事務所『法律事務所シリウス』より★