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Q 隣地所有者は,境界上に,樹木を植えて,そのエリアを占有したので,私の土地を時効取得したといっています。相手の土地になってしまうのでしょうか。

よくあるご質問境界問題

A 詳しい事情をうかがわないと判断できませんが,樹木が雑然と植えてあったという状況のみでは,時効取得が認められない余地はあります。
 過去の裁判例でも,「取得時効の制度が,真の権利者の権利を否定してでも継続した占有状態を法的に保護しようとするものであることからすると,一定範囲の土地の占有を継続したというためには,その部分につき,客観的に明確な程度に排他的な支配状態を続けなければならない」とされています。
 ポイントは,「客観的に明確な程度に排他的な支配状態」です。
 実際の裁判例でも,樹木を植えていただけでは,「客観的に明確な程度に排他的な支配状態」ではないとするものが多いです。
 また,大阪地裁平成10年12月8日判決では,「本件土地において野菜等の作付けがされたことはなく,シュロなどの雑木が雑然と植えられているにすぎない」等の事情を認定して,「客観的に明確な程度に排他的な支配状態」ではないとしています。

2021年4月

★千葉市の弁護士事務所『法律事務所シリウス』より★