イギリス刑事弁護の実情
2021.05.28ブログ
イギリスでは,弁護士業務の専門化が定着しており,弁護士は各々の専門分野の事件のみを取り扱うことが通常です。そのため、弁護士が自分の職業を紹介する際には,企業法務,医療過誤,家族法など,分野を特定して説明することになります。刑事弁護も例外ではなく,刑事事件を専門分野とする弁護士が自分の職業について説明する際には,「刑事弁護士」と名乗ります。
ただし,イギリスの刑事弁護の実情としては,高額の報酬を得る著名な法廷弁護士(Barrister)が存在する一方で,若手弁護士の労働過多や低報酬,成り手不足による事務弁護士(Solicitor)の高齢化,リーガルエイドの削減による弁護士事務所の撤退など,様々な問題が存在するようです。特に,刑事弁護へのアクセスの問題は,近年,深刻な問題として議論されているようです。
イギリスの刑事司法制度は,国際的信頼も高いと言われており,公正さが保たれているとの理解が一般的ですが,解決すべき問題も残されているようです。
https://www.bbc.co.uk/news/av/uk-55548821
弁護士 中井淳一
★千葉市の弁護士事務所『法律事務所シリウス』より★