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民法改正シリーズ ~契約不適合責任~

2019.07.09ブログ

民法の改正により,現行民法の瑕疵担保責任の規律が変わります。

現行民法の下で,売買契約の目的物に隠れた瑕疵(契約のときに明らかでなかった不具合)があった場合には,売主は,特定物売買(当事者が物の個性に着目して売買の対象とする)の場合には瑕疵担保責任,それ以外の不特定物の売買である場合には,債務不履行責任を負うと考えるのが通説的立場とされていました。

特定物売買に適用される瑕疵担保責任は,その内容として,契約の解除か,損害賠償の請求のみ規定されており,これは,特定物売買の場合,売買の対象とされた「まさにその物」を引き渡せば,目的物の引渡は完了したと考えられるため,買主は,売主に対し,瑕疵のない物を引き渡せ,とか,修理しろ,と言っていくことができないという考え方に基づくものでした。
他方,不特定物の場合には,瑕疵のあるものの引渡では,完全な引渡がなされたとはいえないから,売主は完全な物を調達し,買主に引き渡さなければいけないと考えられていました。

しかし,改正民法は,特定物か不特定物かで区別することなく,契約の内容に適合しない物を渡した場合には,買主は債務不履行責任の一種である契約不適合責任を負うという規律が採用されました。また,不具合が隠れていてもいなくても,契約の内容に適合しない場合があることから,現行民法とは異なり,不具合が「隠れた」ものであることは要件とされないことになりました。
具体的には,買主は,目的物の性質にかかわらず,売主に対して①修補,代替物の引渡,不足分の引渡等による追完(改正民法562条1項本文),②代金の減額の請求(改正民法563条1項)③債務不履行による場合の損害賠償請求(改正民法564条,同415条),④債務不履行による場合の契約の解除(改正民法541条,同542条)を求めることができることとなりました。

また,現行民法上瑕疵担保責任を追及しうる期間については,買主が事実を知ったときから1年と規定されていました。
改正民法では,目的物の内容の不適合が,種類・品質に関するものである場合には,不適合を知った時から1年以内に通知しないと,買主は権利行使することができなくなるという規定が置かれ(改正民法566条本文),不適合が数量に関するものである場合には,特別な規定を置かず,他の債権と同様,一般の時効の規律(権利を行使することができることを知った時から5年,権利を行使することができる時から10年。改正民法166条1項)が適用されることになりました。

瑕疵担保責任の法的性質をどのように考えるかについては,これまで学説も激しく対立していたところであり,今回の改正により,契約不適合責任についての規定がなされたことは,注目すべき改正点といえます。

なお,これらの改正は,2020年4月1日から施行されます。

★千葉市の弁護士事務所『法律事務所シリウス』より★