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「反対尋問研修」で講師を担当しました。

2016.06.06ブログ

 東京三弁護士会多摩支部で,坂根真也弁護士(東京弁護士会)と二人で,反対尋問研修を行いました。

 模擬記録を前提に,午前中はブレインストーミング,午後から,受講生に「弁論」と「反対尋問」の実演をしてもらい,反対尋問の準備及び実践に関する講評を行いました。まず弁論を実演してもらったのは,弁論に必要な事実を獲得するという反対尋問のイメージをつかんで欲しかったからです。

 反対尋問が苦手な弁護士は少なくありません。
 原因はいくつか考えられますが次のようなものが典型的です。

 ① 自らのケース・セオリーが意識できていない。
(有利な矛盾だと思い,ケース・セオリーに反する事実を獲得してしまう。)
 ② 反対尋問で獲得すべき事実が意識できていない。
(他の客観的証拠で獲得できる事実の場合,反対尋問で聞くべきか検討する必要があるでしょう。)
③ 訊き方のコツがつかめていない。
(争いのある事実で,否定されることが予想された場合,事実を細分化して聞いていくなどの尋問技術が必要です。)
④ テーマ(弾劾の物語)の意識が希薄である。
(いい事実が訊けているが,それだけ聞いても事実認定者に意味が伝わりにくい場合,どの程度まとまりをもった事実を訊くか検討することが大事です。)
⑤ 主尋問との関係性の意識が希薄である。
(主尋問で出ていることを重ねて聞いたり,平板な順番でテーマをもってきますが,主尋問でできている空気を変える最初のテーマは何か,主尋問のイメージを変える切り口は何か,という視点で検討することも必要です。)
⑥ 事実認定者に与えるインパクトの検討が不十分である。
(些細な事実をあげつらうような尋問が続けば,事実認定者は飽きてしまいますし,その弁護士に対する信頼を失いかねません。)
 
今回,多摩支部では,受講生が熱心に記録を検討し,受講してくれたため,活気ある研修になりました。
自分でもさらに研鑽を深めたいと思いました。

                                                            菅 野  亮